理事長挨拶 | 社会福祉法人フェローズ | 横浜市にて高齢者介護サービス事業を運営

理事長挨拶

事業を立ち上げたきっかけ

フェローズの設立以前は、訪問介護のケアマネージャーをしていました。当時はケアマネージャー自体の人数が少なく、一人で60人ほどの方を対応していたため、どんなに頑張っていても、お一人に対しての訪問は月に一度が精一杯。そういった中で、人との触れ合いを無くし、孤独に感じている方を沢山見てきました。「今よりももう少し触れ合える時間があったら、何か変わってくるのではないか」そんなもどかしさを抱えている時に新たな道として見つけたカタチが、グループホームという在り方です。一緒に生活を送ることで、孤独ではなく家族のような温かみを感じてほしいという想いから、2005年にフェローズを設立しました。

ここ数年でグループホームも一般化してきましたが、設立当時はまだ広く知られていない部分が多く、「どういったサービスなのか分からない」というご家族の方からの問い合わせも多くありました。小規模多機能施設はデイサービスとなるので少し勝手が異なりますが、グループホームのご説明時にはいつも「9LDKのマンションに家族で住んでいます」とお話しさせていただいています。

歌の力が心を開き、繋げてくれる

安全確保のためにも日中は出来るだけ一つのフロアに集まっていただき、すべてのご利用者様に目が行き届くようにしています。“昼間はひたすら個室に籠っている”ということが無いように私たちの方から様々な働きかけをしていますが、「此処にいてください」と指導や強要をするようなことは一切ありません。ご自身から進んで出てきていただくために、“一つのフロアに皆でいる”ことが自然に感じられる、家族のような繋がりを大切にしています。

その点において、歌は人の心を開き、繋げてくれる、とても重要な役割を果たしていると考えています。時代を映した流行歌や、聞き馴染みのある歌謡曲は、ふとそのメロディーを耳にするだけで当時の思い出を蘇らせてくれるものです。フロアで歌を流すと、目を輝かせながら一緒に口ずさんでくださったり、静かに昔の思い出に浸ったり…。普段はお一人でいることが好きな方も、歌が流れると懐かしさを感じられてか自らフロアに出てきてくださります。歌と、歌による回想には、とても大きな価値があると感じています。

ご利用者様のことを第一に考えて

フェローズでは、歌と同じく体操のレクリエーションにも力を入れています。お正月、卒業式、夏祭りなどの季節・行事を連想できる歌や懐かしの歌謡曲に動きをつけ、毎日朝9時と夕方16時頃に必ず行っています。少しでも喜んでいただけるよう、選曲や体操はすべて私が考えているのですが、最初は自分の動きを写真に撮って確認しながら作っていました。2017年頃から始めた小規模多機能施設の方では、さらにレクリエーションや行事にしっかり参加いただけるような内容にしています。

他にも様々な取り組みを行っていますが、いずれも芯にある想いは、「ご利用者様ファースト」であるということ。お一人おひとりの意思を尊重し、今後も、その方の生活リズムに寄り添ったサービスを提供してまいります。

理事長 増島 啓子