分析研究部 C.U.
一番やりがいを感じた経験は何ですか?
試験方法の開発に携わった経験です。製剤中にどんな成分が、どれくらい含まれているかを確認するための試験における「HPLC」の条件設定や、製剤を溶媒に抽出する方法を一から決める必要がありました。私は学生時代にHPLCを使用したことがなかったため、分からないことが多く、手探りでのスタートでした。大変さを感じることもありましたが、文献や別の開発品の事例を参考にし、先輩からのアドバイスを受けながら徐々に知識を深め、開発を進めることができました。この経験によって試験法を構築する力・改善する力が向上し、チームで協力することの大切さを改めて実感しました。
仕事をしてきた中で、一番大変だった経験は何ですか?
試験方法のリスク評価に取り組んだ経験です。
リスク評価では、開発した試験方法を実生産の現場(品質管理課)で継続的に用いた際に発生し得る分析条件の変動(pHや溶媒組成のズレなど)を特定し,その変動がどのように結果に影響を及ぼしているのか、どの範囲であれば許容されるかを評価しました。
医薬品承認申請に必要な新たな規制であるため、部内での前例がなく、一番大変でした。
そのため文献を丁寧に調査し、外部セミナーにも参加することで評価方法を深く学んでいきました。目的を達成できた時には規制に関する知識が幅広く身についており、自身の成長を実感することができました。
毎日の仕事の流れについて教えてください。
出社後はメールの確認と、1日のスケジュールの確認を行います。その後、前日に実施した試験の結果を解析していきます。試験は責任者と担当者が協力して行っており、私は試験責任者として試験全体の管理を行っているので試験担当者への指示も大切な役割です。試験結果を踏まえて、若手社員などの試験担当者に対して次の試験の内容や目的を説明します。試験がない日には、報告書や計画書の作成などデスクワークが多いです。
その他にも進捗報告の会議への参加や、新入社員研修、消耗品管理などを担当しています。どの業務も一人ではできないので、周囲と協力しながら効率的に進められるよう心がけています。
将来の夢や目標を教えてください。
仕事面では、担当品目の承認申請を目標としています。他にも、間接業務にも積極的に取り組んでいきたいです。中でも新入社員研修に力を入れていきたいと思っています。新入社員からは研修資料が分かりやすいと言ってもらえることがあるのですが、より充実したものにしていきたいです。
今後は分析研究部でキャリアを積みながら、フレックス制度も上手く活用して家庭と趣味のバランスをとって働き続けたいです。将来的には、産休・育休や時短勤務制度の利用も視野に入れています。分析研究部では女性社員が多く、育児と仕事を両立する社員もたくさんいます。男性社員も育児休業を積極的に利用しており、家庭との両立を応援する風土が職場全体に根付いています。
学生時代の専攻、研究内容について教えてください。
大学では腫瘍生物学を専攻し、乳がんの悪性化に関する研究をしていました。研究ではqPCRやマウスを使ったin vivo実験を行っており、現在の研究に直接活かす機会は多くありませんが、実際に働いてみると「どんなことを学んできたか」ということよりも、思考力、考察力、発表する力の方が大切だと感じています。私自身も、データを読み解き論理的に考察する力、試験結果をわかりやすく伝える力は学生時代の経験が大いに役立っています。
分析研究部のメンバーは、薬学、分析化学の他にも化学、生物学など様々なバックグラウンドを持っています。医薬品や分析機器に関する知識がなくても、先輩社員が丁寧に指導するので安心して業務に取り組むことができます。
就活生へのアドバイスをお願いします。
私は「研究職として働きたい」という軸を持って就職活動をしていたのですが、製薬企業の研究職は基礎研究、薬物動態、臨床研究、CMC研究など分野が細かく分かれていることに気がつきました。自分に合った仕事を見つけるためにも、興味やスキルを活かせる分野を深く理解することが重要だと思います。周りの人に内定が出ると焦りを感じることもあるかもしれませんが、ぜひじっくりと自分に向き合って、進めていってほしいです。
また、忙しい時期ではありますが、最後の学生生活を楽しむことも忘れないでください。友人との時間、趣味、研究に充実した時間を過ごすことが、今後の社会人生活においてエネルギーとなるはずです。皆さんの就職活動が実り多いものになることを心より願っています。