つくば工場 技術部 K.W.
業務内容について教えてください。
私の業務は主に「この製造条件なら、常に予定された品質・規格の高品質の医薬品を製造できるか」を確認することです。この業務を“バリデーション”といいます。バリデーションの内容を文書化した証明書があって初めて医薬品を製造する資格を得られるため、製薬業にとって重要な業務です。
具体的には、まず製造条件を検討します。次にその条件で実際に製品を作ってみて、品質に問題がないかを確認。そして最後に結果をまとめ、証明書を作成します。この一連の流れを新製品を作るたびに行っています。
生産中のトラブル対応も行います。例えば、機械の不調の際は、製造部から依頼を受け、私たちはその状態で作られた製品の品質を確認します。確認結果は製造部・品質管理部と共有し、トラブル対応の方針を協議します。
一番やりがいを感じた経験は何ですか?
入社2~3年目で新製品のバリデーションをイチから担当し、やり遂げた時です。現在は5品目ほどを任されるようになり、慣れてきましたが、当時は複数の業務を並行して行うことや関連部署とのやり取りは大変でした。しかし、「なぜこの製品にはこの添加剤を使うのか?」「なぜこの製造条件が適切なのか?」という新製品開発のノウハウや製造設備の知識を深めることにつながりました。
また、利益率の高い新製品を発売できるようになったことで、会社の利益向上に貢献できたことも嬉しかったです。これらの成功体験が、もっと専門性を高めたいと思うきっかけになり、今の仕事のモチベーションになっています。
さらに「技術課の仕事って面白いな」と思うようになりました。なぜかというと、今作っている製品はどんな原料を使い、どんな条件で作られているのかを知るために、過去の資料を読み込むと、「こんな経緯があったのか!」と知ることができ、まるで謎解きのようだからです。知識が繋がり、資料からそれを紐解けるようになっている自分に驚き、成長を実感しています。
毎日の仕事の流れについて教えてください。
朝礼で各部員の進捗や今日1日のスケジュールを共有します。その後は製造現場に入り、部員が決められた製造条件を確実に実行しているかを横について確認。これを私たちは“立会”と呼んでいます。立会での製造終了後、サンプリングした製品の品質を評価します。例えば粉体の粒径や流動性、錠剤の質量や硬度が想定通りにできているかを確認していきます。
最後に「どんな結果が得られて、それは品質にどう影響するのか?」「製造条件は適切か?」などを評価し、“バリデーション報告書”という文書にまとめます。終業時に翌日のスケジュールやタスクを確認します。
時期や製品によっては、立会だけで1日が終わる日もあります。特に年2回の新製品販売時は1ヶ月ずっと立会して、その翌月1ヶ月は品質評価に集中することもあります。
当社に入社を決めた理由、また技術職を選んだ理由を教えてください。
メーカーの選考を幅広く受けており、その中でも生活に欠かせない医薬品は社会貢献度が高く、やりがいを持って働けそうだなと考えました。また、勤務地であるつくば市は都心へのアクセスが良く商業施設も充実しているため、暮らしやすそうだと思い、この会社への就職を決めました。
技術職を選んだ理由ですが、もともとは製造部の選考を受けており、人事から技術職を提案されたのがきっかけでした。技術部は部署間に立ってコミュニケーションを取ることが多いので、その適性があると見込んでオファーしてもらったようです。正直なところ技術職の仕事がよく分かっていない状態で入社しましたが、技術職だからこそ学べる専門的な知識、スキルが身についたので結果的には楽しく働くことができています。
将来の夢や目標を教えてください。
技術職のエキスパートを目指したいと思っています。今までは目の前の業務で手一杯でしたが、今後は自己学習の時間も確保してバリデーションに関わる知識を増やしていきたいです。最終的には、どんな製品でもトラブルなくバリデーションを完結させ、安定した商業生産に貢献できるようになりたいです。
また、大量生産に向いている製造機械をつくば第二工場では使っていて、つくば工場では触れたことのない機械もあるため、ぜひ関わってみたいと思っています。
新人教育にも力を入れていきたいです。つくば工場は全員で教えていく教育スタイルで、何名かの先輩について実際に現場を見て学んでいきます。私もそうやって教わってきましたが、今は教える立場になりました。私なりに技術部の仕事の面白さを後輩にも伝えていきたいと思っています。
学生時代の専攻、研究内容について教えてください。
微細藻類(ミドリムシなど)と呼ばれる微生物を扱っており、培地の濃度や栄養源の供給方法を変えて、効率的に培養する方法について研究していました。研究しようと思ったきっかけは、「微細藻類が環境にやさしいエネルギーとして使える」ことを本で知って、面白そうだなと思ったからです。
今の業務には直接関係していませんが、少しずつ条件を変えて検討するプロセスは現職に近しいものがあります。実際に実験の結果からこういうことが読み取れるといった、データを読み取る力も活かせていると思いますし、どの条件がどのように影響するのかを理論的に考える力は役立っています。
就活生へのアドバイスをお願いします。
自分にとって譲れない条件をはっきりさせることが大事だと思います。私の場合は勤務地でした。就職活動の最初はこだわっていませんでしたが、様々な会社の対面面接を受ける中で、立地や気候、娯楽等の観点から「ここに住み続けるのは難しいな」と思う場所が何か所かありました。そこで勤務地を関東圏に絞り、探していたところ、この会社に出会いました。
また、やりたい仕事で会社を選びすぎず、与えられた仕事に順応するマインドも大事だと思います。私自身は技術部の業務について理解しきれないまま配属されましたが、仕事をこなす中で自分なりに面白さとやりがいを見出せたので、結果的には良かったです。
全てが希望通りにいく会社はなかなか見つからないと思うので、自分なりの落としどころを見つけることも大事だと思います。
就活を振り返ると、様々な職種や業界を覗いてみることは必要なことだと思いました。あとは入社してみて仕事をしていく中で、面白さが分かってくるので、まずはやってみるでもいいかもしれません。